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あたらしいものづくりを可能にする、デジタルファブリケーションとは?

こんにちは、YOKOITO代表の大谷です。

今回はデジタルファブリケーションと、その価値とはどういったものなのかについて書こうと思います。

 

デジタルファブリケーションとは、デジタルファブリケーション機器を使ったものづくりのことと私は定義しています。

そして、デジタルファブリケーション機器とはコンピューター制御で動く小型工作機器の総称で具体的には以下の3つが代表的なものになります。

・3Dプリンター・・・コンピューター上の3Dデータを元に、立体物を造形。材料は低価格・個人向けのものではプラスチックが主流(大規模な機械であれば金属等他素材も可能)

・レーザー加工機・・・紙や木材といった平面をもつ素材に、コンピューター上のデータ(例えばIllustratorやPhotoshopのデータを元に彫刻や複雑な形状のカットを施すことが出来る。

・モデリングマシン・・・コンピューター上のデータを元にドリルを動かして木や樹脂を削り形を作る。塊から削り出すため、積み重ねの跡が残る3Dプリンターより格段に綺麗な仕上がりになる

20160428_YJpic (画像左から、3Dプリンター、レーザー加工機、モデリングマシン)

一方でソフトウェアの方面でも機器と同じぐらい劇的な変化が起きており、今まで数百万していたCADソフトが一部機能を限定する形で無料で提供されたり、機器を制御するソフトウェア自体も非常に高性能に、簡単に扱えるようになってきています。見方によってはこちらのほうが影響が大きいと考えられる方もいます。

さて、3つの代表的な機械のできることを大まかに書きましたが、お気付きの通りこれら機械でできることは全く新しいことではありません。これらで作られるものは見慣れた、それこそ100円ショップで見るものと見た目では変わりません。むしろ、100円ショップのものでも工場では数千万の機械で作られている物もありますので見た目だけでは見劣りしてしまうことのほうが多いぐらいです。

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しかし、それでは出来るものが100円ショップのものに見劣りしてしまうのに、どうしてデジタルファブリケーションは世界中で広がり初め、取り組む人がどんどん増えていっているのでしょうか。

 

それは、デジタルファブリケーション機器を扱うことが出来れば個人で、それこそオフィスのデスクの上でものをつくれるようになってしまうからです。

 

例えばこういったものを作ろうというアイデアを思いついたとします。これはたとえ製造業系の大企業でもそういうことが多いのですが、そのアイデアを思いついた人が”作ってみる”ということはほぼ行われません。なぜなら、今まではこの”ちょっと作ってみる”に、それなりのコストが掛かってしまうからです。

プラスチックパーツを作ってみようとしても、レーザー加工しようとしても、少し木を削って作るにしてもそのデータを作るソフト・それを加工する機械・その機械を使うための専門知識ともにとても個人で扱えるようなものではなかったからです。個人で扱うことが出来ないので、それぞれ専門の人にお願いすることになります。その為、”ちょっと思いついたから作ってみる”ということは不可能でした。

 

それが、デジタルファブリケーションを取り入れれば、全て個人で扱うことができる様になります。勿論綺麗さ、完成度は専門家が工場で作ったものに劣りますが、こういう形でこういうことをしようと思います、こういうふうに使うものを作ろうと思いますということを、実際のものと一緒に(他)人に説明することが出来るのです。今までは“作ってみる”事ができないのでせいぜいパワポのプレゼンテーションとスケッチまででした。それが、こういうものを作ろうとう時にものと一緒に人に伝えることが出来るのです。

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OPC hack and make awardに応募し審査員特別賞をとったRainbow cam

霧を作り虹をつくり写真に写り込ませることが出来る。家庭用3Dプリンターで外装を出力。

 

以前と違いこれからのものづくりでは今までにない、場合によってはまだ名前の無い新しい物を生み出し価値を作ることがより求められて来ると私は見ています。いざそういったものを作るとき、名前すら無いものなので言葉で説明することは非常に困難です。結果としてアイデアを実行に移すことが難しくなり、今までの製品の性能向上版ではない、全く新しいものを生み出すということ自体が時代の流れとともに、またニーズの複雑化とともにどんどん困難になってきてしまっていると私は感じています。それが、具体的なものをとりあえず作って説明してみんなで共有することが出来る様になれば、私は10年ぐらい先かなと思っていたことが5年先に、1年先にと、未来が今になるスピードが格段に早くなると考えます。

デジタルファブリケーションはとりあえず作ってみることによって未来が今になるスピードを早くする技術・手法の総称と私は定義しています。。みなさんも私達と一緒にデジタルファブリケーションを取り入れてものづくりをすることで、思い描いた10年先の未来が明日には来るような世界を作っていきましょう。